顔の施術について
眼瞼下垂手術の筋膜移植(筋膜吊り上げ)は、どのような手術で、どのような人が適応になるのか?
眼瞼下垂の手術方法は、大きく2つの方法に分けられます。
1つは、通常の、まぶたの皮膚を切開して、まぶたを開ける上眼瞼挙筋の挙筋腱膜を瞼板の上に前転、短縮、固定する方法。
もう1つは、大腿筋膜や側頭筋膜で行う、筋膜移植(筋膜吊り上げ術)による方法です。
実際、高須クリニックで行っている眼瞼下垂手術は、約99%が前者の挙筋腱膜を前転、短縮する方法で、後者の筋膜移植(筋膜吊り上げ術)は約1%です。
挙筋腱膜を前転、短縮する方法の適応になる人は、
・美容目的で、まぶたの開きを良くして、目を大きくしたい人
・コンタクトレンズ(特にハードコンタクト)を何年~何十年間長期使用したことに起因する、コンタクトレンズ起因性眼瞼下垂、腱膜性眼瞼下垂
・老化によってまぶたの開きが悪くなる老人性眼瞼下垂、腱膜性眼瞼下垂
・アトピー性皮膚炎や、アイプチ、アイテープ、メザイクなどのやり過ぎなどでまぶたが被れて、まぶたを擦り続けたことによって起こる眼瞼下垂、腱膜性眼瞼下垂
・軽度の先天性眼瞼下垂
などです。
一方、筋膜移植(筋膜吊り上げ術)の適応になる人は、
・重度の先天性眼瞼下垂(挙筋機能がほぼ0で、まぶたの力で目を開けることができず、眉を上げる力のみによって目を開けている)
・瞼裂狭小症候群(両側の先天性眼瞼下垂、逆内眼角贅皮を認める遺伝性の先天性疾患)
・挙筋機能が廃絶し、挙筋腱膜を前転、短縮しても改善しない、重度の老人性眼瞼下垂
・外傷などにより、上眼瞼挙筋や挙筋腱膜、ミューラー筋などが傷つき、挙筋腱膜を前転、短縮しても改善しない場合
などです。
挙筋腱膜を前転、短縮する方法の適応になる人 |
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筋膜移植(筋膜吊り上げ術)の適応になる人 |
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眼瞼下垂の筋膜移植(筋膜吊り上げ)手術は、挙筋機能(まぶたを開ける上眼瞼挙筋の機能)が0か、ほとんどない人が適応になります。もし、そのような挙筋機能がない上眼瞼挙筋に対して、挙筋腱膜を前転、短縮すると、確かにまぶたを開かせることはできるのですが、無理やりまぶたを開かせた状態で固定することになるため、非常に不自然な目になります。
また、目を閉じようとしても、角膜が露出したままになるため、強烈なドライアイになってしまいます。そのため、挙筋機能が0か、ほとんどない眼瞼下垂に対しては、まぶたに筋膜を移植し、まぶたと、眉毛を上げるおでこの筋肉(前頭筋)を連結して、上眼瞼挙筋の機能を前頭筋に置き換える手術をします。
以下に手術方法を説明します。
- ①筋膜の採取
- 筋膜は、こめかみの側頭筋膜か、太ももの大腿筋膜を使用します。側頭筋膜は、髪の毛の生えている部分から切開して採取し、傷跡はほとんどわからなくなるため、私に関しては、側頭筋膜を使用することがほとんどです。大腿筋膜は、太ももの膝に近い部分の皮膚を切開して採取するため、太ももに傷跡が残ります(短パンやミニスカートを履くとあらわになります)。
また、術後早期に長時間立ち続けたり、歩き続けたりすると、大腿筋膜を採取した部分の筋肉がヘルニアを起こすため、術後1週間はなるべく安静にする必要があります。他の病院やクリニックでは、側頭筋膜や大腿筋膜の代わりに、人工の糸やゴアテックスを使用することがありますが、高須クリニックではそのような手術はおすすめしません。人工物を使用して、まぶたと前頭筋を連結させても、組織と癒着を起こさないため、すぐに緩んだり、外れてしまい、効果がほとんどなくなってしまうか、元に戻ってしまうからです。
- ②筋膜の移植
- まぶたと眉毛の生え際の上の部分をそれぞれ1~2cm程度切開し、その間にトンネルを開け、筋膜を通します。
まぶた側は瞼板に、眉毛側は前頭筋や真皮に筋膜を固定し、まぶたがちょうど良く開くように調節します。
- ③縫合
- 筋膜採取部位とまぶた、眉毛の生え際の傷は、細い糸で丁寧に縫合します。縫合した糸は1週間後に抜糸します。この手術をすることにより、まぶたを開ける上眼瞼挙筋の機能が0かほとんどない人でも、眉毛を少し上げるだけで、楽にまぶたを開けることができるようになります。
高須クリニックでは、様々なタイプの眼瞼下垂にも、最適な手術術式で対応させていただきますので、ご安心ください。
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※施術方法や施術の流れに関しましては、各院・各医師により異なります。予めご了承ください。
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※当院で行う治療行為は保険診療適応外の自由診療になります。
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当サイトは高須クリニック在籍医師の監修のもとで掲載しております。
担当医からのコメント
⾼須 幹弥 医師
20代女性の患者様で、分厚くて眠たそうな細い目を気にされていました。
診察させていただいたところ、まぶたの皮膚が厚く、脂肪もたくさんついていました。
まぶたの開きが悪く、一重まぶたであるため、普通に目を開けた状態で黒目が3~4割程度しか出ておらず、余計に目が細く見えていました。
眼瞼下垂手術をして、まぶたの開きを良くし、同時に二重を作ることになりました。
二重まぶた全切開法に準じ、新しく作る二重のラインに沿って皮膚を切開し、上眼瞼挙筋の挙筋腱膜を瞼板に前転固定し、短縮しました。
開きすぎて、ビックリした目やキツい目にならないように、普通に目を開けた状態で、黒目が7~8割程度出るように調節しました。
二重の幅は、広くし過ぎると、二重のラインの下の皮膚が睫毛の生え際に被さり、その分まぶたの開きが悪くなってしまうため、目を開けた状態でわずかに二重の幅が見える程度の二重を作りました。
日本人特有の蒙古襞が平均的に張っており、広すぎない自然な幅の二重を作ったため、二重のラインが蒙古襞の上を乗り越えず、蒙古襞の中に入り込んだため、必然的に末広型の二重になりました。
目が窪まない程度に眼窩内脂肪とROOFを切除しました。
皮膚は切除しませんでした。
術後は、分厚かったまぶたが程よく薄くなって、まぶたの開きが良くなった上に、自然な二重まぶたになりました。
眼瞼下垂(デカ目整形)
【全院】
眼瞼下垂(デカ目整形)