出ているはずの乳首が引っ込んだ状態の『陥没乳頭』は、
日本人によく見られる症状。
刺激すると出てくる場合は問題ありませんが、
重度の場合、そのままにしておくと授乳の妨げになるほか、
乳頭や乳腺の炎症の原因になることも。
見た目の問題以上に、衛生面の問題が深刻です。
陥没乳頭の原因は、乳腺で作られた母乳を乳首まで運ぶ乳管が未発達で短いため、
乳首が乳管に引っ張られて陥没するといわれています。
最近は食生活の変化などにより、昔に比べるとバストの大きい女子が増え、
それに比例して陥没乳頭も増えているといわれています。
それは、バストの成長に乳管の成長が追い付かないためだともいわれており、
あるデータによると、程度の差はあれ
近年の若い女性は5人に1人くらいは陥没乳頭だともいわれています。
【1】局所麻酔注射
麻酔のクリームを塗った後、極細の注射針で比較的感覚の鈍い乳頭基部から注射します。
感覚の強い乳頭の先端からは注射しないので、麻酔の注射の痛みはわずかです。
【2】皮膚切開
陥没乳頭はほとんどの場合、乳頭の真ん中辺りを中心に水平に括れて、
そこの括れを中心に引っ張られて陥没しています。
その括れのラインに沿ってメスで乳頭の皮膚を切開します。
【3】陥没している乳頭を引き出す
切開した創部から、突っ張っている乳管の周囲の結合組織を解除しながら
陥没している乳頭を引き出します。
このとき、授乳機能を温存するため、
可能な限り乳管を切断したり傷つけないように、慎重に乳頭を引っ張り出します。
【4】乳頭基部の縫縮
陥没している乳頭を引き出した後は、再び陥没して後戻りしないように
乳頭の基部(根元の部分)を縫い縮めます。
異物が残らないように、吸収糸(溶ける糸)で中縫いをします。
【5】皮膚縫合
後に乳頭の表面の皮膚を丁寧に縫合して手術終了です。
表面は青色透明の細いナイロン糸(非吸収糸)で縫合するので、
7~10日後くらいに抜糸をします。
抜糸後、傷跡はほとんど目立たなくなります。
〈症例写真〉
見た目の問題、機能の問題、健康面の問題からみても、
陥没乳頭は治療した方が良いことが多いです。
お悩みの方は、いつでも当院にご相談下さい。