痛みを課すことで自分の存在を確認する「リストカット」、自分の強さを示すために行う「根性焼き」。こうした傷跡が腕などの人目につく部分にたくさんあると、社会の色々な場面で不利になります。就職活動が上手くいかなかったり、職場で陰口の対象になったり、友人や恋人ができにくかったり・・・自分自身でもいつも後ろめたい感覚を抱え、何事にも消極的になりがちです。
ナイフやタバコの火で何箇所もつけた傷跡を、完全に元通りの皮膚に戻すのは難しいもの。けれども、切除縫縮やアブレーションによって、リストカットや根性焼きには見えない違う形の傷に変えることができます。

【切除縫縮】1本の傷に変える

  • 皮膚を切除して縫い合わせることで、ガラスで切ったような傷跡に。
  • 手術時間は、20~30分程度。1週間後に抜糸をして終了。

【アブレーション】広範囲の場合は面で治療

  • 切除縫合では対応できない広範囲の場合は、専用の機器で皮膚表面を細かく剥離。
  • 仕上がりは、熱湯をかぶってできた火傷のような傷跡に。
  • 手術時間は範囲にもよるが、60分未満であることが多い。
  • 術後しばらくは赤く盛り上がっているが、時間の経過とともに赤みが引いて平らになってくる。

痛みの少ない快適手術

切除縫合もアブレーションも、クリームによる麻酔と極細の針による注射で局所麻酔をしてから行うので、術中の痛みは少なくて済みます。最初にクリーム麻酔をすることで、局所麻酔をかける際の痛みまで軽減。術中の痛みを極力少なくすることで皮膚が安定し、仕上がりの状態もよくなります。患部が塗れなければ、当日からシャワーもOKです。

手術後は、痛み止めの内服薬などを処方しています。

▼処方する痛み止めの種類とよくある質問
美容整形手術後の自宅疼痛管理

麻酔クリーム

麻酔クリーム

麻酔クリームを塗る様子

麻酔クリームを塗る様子

術後のフォローも万全

アブレーション治療の後には、細かく深いすり傷ができたような状態になります。このため、術後しばらくは毎日ガーゼ交換が必要。ご自身で上手くできるようにしっかりアドバイスするとともに、それでも不安という場合は通院による無料でのガーゼ交換を行うこともできます。

さらに傷を目立たなくする方法も提案

切除縫合で1本の傷に、もしくはアブレーションで火傷の跡のようにした後、フラクセル2などを使って傷をぼかしたり、赤みや凹凸を和らげていくことも可能。それでも完全に元の状態に戻すことは難しいのですが、可能な限り目立たなくする努力をさせていただきます。

アブレーションに使用するフラクセル2

こんなお悩みをお持ちの方へ

  1. 後ろめたい気持ちを抱えている
  2. 就職活動が上手くいかない
  3. 他人にジロジロ見られる
  4. 自分に自信が持てない
  5. 人生をやり直したい

施術料金

リストカット・根性焼き(切除縫縮)

顔面の傷跡を単純に縫合する場合の目安 1cm ¥55,000(税込)
顔面以外の傷跡を単純に縫合する場合の目安 1cm ¥27,500(税込)
※傷跡の症状と部位等によって料金が変動する場合がございます。診察後にお見積りをお出ししますので、ご納得の上治療をお受けいただきます。
※根性焼きの切除縫縮は1個¥55,000~¥110,000(税込)が目安です。

【全院】

リストカット・根性焼き(アブレーション)

ハガキ大 ¥550,000(税込)

【全院】

■手術前のデザイン解説

分割切除1回目、術前の状況について解説します。

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※施術方法や施術の流れに関しましては、各院・各医師により異なります。予めご了承ください。
※ホームページ上で掲載されている価格は税込表示となっております。
※当院で行う治療行為は保険診療適応外の自由診療になります。
※インバウンドの方の施術料金は通常料金とは異なります。詳しくはお問い合わせ下さい。

症例のご紹介

リストカットの傷跡を2回に分けて完全に切除縫縮した症例写真

  • Before

  • After(2回目手術後2年6ヶ月)

⾼須 幹弥 医師

担当医からのコメント

⾼須 幹弥 医師

20代女性の患者様で、左腕のリストカットの傷跡を気にされていました。
診察させていただいたところ、4cm程度の長さの傷跡が無数に横に並んでいました。
このような傷跡は完全に消すことはできないため、CO2レーザー炭酸ガスレーザーでアブレージョンして、面で火傷の跡のようにしてしまうか、切除縫縮して線の傷跡にしてしまうかになります。
この傷跡の場合、傷跡の長さが4cm程度で、それほど長くなかったため、2回に分けて切除縫縮して、線の傷跡にすることになりました。
通常、1回目の手術と2回目の手術の間隔は6ヶ月以上空けることになりますが、この患者様に関しては、患者様の都合で1年空けました。
2回の手術で完全にリストカットの傷跡は切除され、1本の細い傷跡になりました。
1本の縦の傷跡になって、怪我によってできた傷跡のようになったため、周りの人から見て、リストカットの傷跡だとは思われないようになりました。

リストカット・根性焼き(切除縫縮)

顔面の傷跡を単純に縫合する場合の目安 1cm ¥55,000(税込)
顔面以外の傷跡を単純に縫合する場合の目安 1cm ¥27,500(税込)
※傷跡の症状と部位等によって料金が変動する場合がございます。診察後にお見積りをお出ししますので、ご納得の上治療をお受けいただきます。
※根性焼きの切除縫縮は1個¥55,000~¥110,000(税込)が目安です。

【全院】

リストカット・根性焼き(アブレーション)

ハガキ大 ¥550,000(税込)

【全院】

高須のこだわり

  • 質の良い注射針のみを使用

    高須 幹弥 医師
    高須 幹弥 医師

    当院の手術の際の局所麻酔注射、ヒアルロン酸注射、ボツリヌストキシン注射の際の注射針には、国産のテルモ針、エンジェルニードルなど、質の良いものだけを使用しています。

    一般的に、注射針は、より細く、より切れの良いほうが痛みが少なくなっています。当院で使用している注射針は、細さと切れ味を追及した質の良い注射針。針を刺す際の痛みが少なく、少しでも患者様の苦痛を少なくするために最善の努力をしています。

    高須クリニックの注射針の特徴
    ①針の細さ

    注射をするときの痛みは、一般的に、細い注射針ほうが少なく、太い注射針のほうが痛みが強くなります。それは、皮膚や粘膜に注射する際、注射針で皮膚や粘膜の表面に小さな穴を空け、針先が中に入っていくからです。当然、細い針のほうが表面を傷つけるダメージが少なく、痛みが少なくなります。

    しかしながら、注射する部位によっては、あまりに細すぎる注射針を使用すると、針が皮膚の硬さに負けてしまい、刺さらない場合も。当院では様々なG(ゲージ)※の注射針を取り揃えており、皮膚の硬さに負けない硬さの注射針で、細いものでは30~34G(ゲージ)※のものをご用意しています。

    注射する部位によって使用する針を替え、少しでも患者様の痛みが少なくなるように努力しています。

    ※G(ゲージ):注射針の太さの単位。 数字が大きいほど細くなります。

    ②針の外径に対して内径が大きい

    当院では、針の外径に対して内径の大きい注射針を使用。
    麻酔液やヒアルロン酸、ボツリヌストキシンなどを注射する際、薬液は注射針の内腔を通過して注入されます。

    外径に対して内径が大きい注射針のほうが、薬液が内腔を通過する時の圧力に対する外径の太さが細いため、その分、細い針を使用することができます。結果的に患者様の痛みが少なくなります。

    一般的な注射針。内腔が小さい。外径に対して内径が大きい注射針。内腔が大きいため、その分外径が小さくなり、刺すときの痛みが少なくなる。
    ③針の切れ味が鋭い

    当院では切れ味の鋭い注射針を使用。
    切れ味が鋭い注射針は、皮膚や粘膜を貫く際、抵抗が少なくスムーズに針が入っていくため、痛みが少なくなります。

    ④様々な長さの注射針を取り揃えている

    一般的に、薬液を注入する際、浅い層に注入する場合は短い注射針を用い、深い層に注入する際は長い注射針を用います。
    当院でも同じように、皮膚の狭い範囲に注入する際には短い注射針を用い、広い範囲に注入する際には長い注射針を用いて注射を行っています。

    特に、広い範囲に注入する場合、短い注射針で行うと、何回も針を刺すことになってしまい、その分、患者様の痛みが強くなります。そのため、広い範囲に注入時には、少しでも痛みを軽減させるために専用の長いカテラン針などを使用しています。

  • 手術後、注射後などの腫れを引かせる漢方薬「治打撲一方」について

    高須 幹弥 医師
    高須 幹弥 医師

    当院では、手術後や注射後などの腫れを早く引かせる漢方薬「治打撲一方(ヂダボクイッポウ)」を常備しております。
    治打撲一方は、元来、その名が示すよう、打撲の治療に用いる内服薬であり、江戸時代中期の医者香川修庵によって考えられた薬です。
    患部の血行をよくするとともに、腫れや痛みをやわらげる効果があります。
    打撲以外にも、外科手術後の腫れや痛みに対しても一般的に使われており、美容整形の手術や注射などの後にも使用することができます。

    【治打撲一方の成分】

    漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。

    治打撲一方の構成生薬は下記の7種類です。

    ・桂皮(ケイヒ): クスノキ科カツラの木の樹皮を乾燥させたもの。薬効は、体を温め、痛みを止め、血行を改善する作用があります。

    ・川芎(センキュウ): セリ科センキュウの根茎を乾燥させたもの。薬効は、血液循環をよくし、痛みを止める作用があります。

    ・川骨(センコツ): スイレン科コウホネの根茎を乾燥させたもの。薬効は、血液循環と水分の循環をよくし、内出血を治す作用があります。

    ・甘草(カンゾウ): マメ科カンゾウの根を乾燥させたもの。薬効は、消化を整え、痛みを止める作用があります。

    ・大黄(ダイオウ): タデ科ダイオウの根茎を乾燥させたもの。薬効は、便通をよくし、血行を改善する作用があります。

    ・丁子(チョウジ): フトモモ科チョウジノキの蕾。薬効は、腹を温め、痛みを止める作用があります。

    ・撲樕(ボクソク): ブナ科クヌギの樹皮を乾燥させたもの。薬効は、皮膚の排膿を促す作用があります。

    桂皮と丁子は発散性の生薬で、患部の熱や痛みを発散して治します。
    大黄と樸樕には収斂作用があり、熱や腫れを冷ます効果が期待できます。
    そのほか、血液循環をよくする川芎、止血作用の川骨、緩和作用のある甘草などが配合されます。
    これらの成分が一緒に働くことで、相乗作用があり、よりよい効果を発揮します。

    用法

    通常、朝昼夕の3回、1包2.5gずつ、食前又は食間に経口服用します(1日3包内服するということです)。
    主に手術後の腫れの強い間に内服します(手術後3日~2週間程度のことが多いです)。
    手術、注射などの治療後に服用を希望される方に処方させていただきます。

    料金

    1包 : ¥110(税込)【全院】

  • 内出血を早く引かせる薬「ケラスキンクリーム」

    高須 幹弥 医師
    高須 幹弥 医師

    高須クリニックでは、内出血を早く引かせる薬「ケラスキンクリーム」を常備しています。

    主成分は、ラクトフェリンをナノ脂質(リポソーム)に封入したもので、皮膚に浸透しやすく、お肌に優しいクリームです。
    ラクトフェリンとは、母乳・涙・汗・唾液などの分泌液に含まれる鉄結合性の糖タンパク質です。
    内出血は、赤血球中のヘモグロビンに含まれる鉄の色が大きな素ですが、ラクトフェリンは鉄と結合して排出する作用(鉄キレート作用)が非常に強く、内出血の色を早く消す効果があります。

    また、ラクトフェリンには抗炎症作用や、抗菌作用、抗酸化作用もあり、メタロプロテアーゼ(細胞外マトリックスを分解する酵素)に対するキレート作用もあります。
    サイトカインの過剰な産生を抑制し、炎症部位における白血球の過剰な動員および活性化を阻害する状態になり、内出血の回復に効果が期待されます。
    当院では、ヒアルロン酸やボツリヌストキシンなどの注射による治療の際、極細の注射針を使用し、細心の注意をはらい、治療しているため、内出血は起こりにくいのですが、体質などの理由により、稀に起こってしまうことはあります。

    目元の手術やエイジングケア手術などでも内出血が生じてしまうことはあります。
    内出血が生じてしまうと、通常、治まるまでに1週間程度かかり、長い場合は2週間程度かかってしまうこともあります。
    その場合、ケラスキンクリームを用いることにより、早く内出血を引かせることができます。

    使用方法

    1日2回、患部の皮膚に塗布し、指で優しくマッサージします。
    1回につき約0.15ml使用しますが、部位によって適宜増減し、調整します。
    薬を塗布し、皮膚に吸収された後、メイクをしていただくことができます。
    手術後の縫合してある傷の部分にケラスキンを塗布することも可能です(抜糸する前の糸がついている傷に塗布することが可能ですが、糸がついている状態の傷にメイクすることは勧めていません)。

    料金

    5ml : ¥2,200(税込)【全院】

術前・術後の注意事項・アフターケア

施術時間 10~60分程度(治療方法、範囲による)
術後の通院 0~数回程度
術後の腫れ 1週間~1ヶ月程度(治療方法、範囲による)
カウンセリング当日の治療 小範囲であれば可能な場合あり
入院の必要性 なし
麻酔 クリーム麻酔+局所麻酔
シャワー 当日より可能

リスク・副作用・合併症について

  • 手術後に処方する抗生剤や痛み止めなどの内服薬のアレルギーの可能性について

    高須クリニックでは、手術後に、抗生剤や痛み止めなどの内服薬を処方させていただいています。

    非常に稀にですが、これらの内服薬を飲むとアレルギーを起こす方がいらっしゃいます。

    もし、これらの内服薬を飲んだ後に、発疹(薬疹)、顔面浮腫(顔が強く腫れて浮腫んだ状態になります)喘息様症状、呼吸困難などの症状が現れたら、それらの薬の内服は中止していただく必要があります。

    そのことは手術後に患者様にお伝えするようにしているのですが、時々、患者の自己判断で、アレルギー症状が出ても、「薬を飲まないと不安だから」という理由で内服を継続されてしまう方がいらっしゃいます。

    その場合、非常に危険なので、アレルギー症状が出た場合は、必ず処方された薬を中断してください。

    以下に処方する薬について詳しく説明させていただきます。

    〈痛み止めについて〉

    痛み止めに関しては、ロキソプロフェンNaの内服薬(ロキソプロフェン錠)やボルタレン座薬を処方することが多いですが、アスピリン喘息の方や、過去にNSAIDsでアレルギーが出たことのある方が、ロキソプロフェン錠やボルタレン座薬を使用すると、喘息症状やアレルギー症状が出る可能性があります。

    そのため、そのような方には、ロキソプロフェン錠やボルタレン座薬は処方せず、代わりにカロナール錠(アセトアミノフェン)を処方させていただくことがあります。

    カロナール錠は、15歳未満の患者様で手術後に痛み止めが必要な場合に、担当の医師の裁量でお出しさせていただくこともあります(インフルエンザ脳症、ライ症候群予防のため)。

    カロナール錠(アセトアミノフェン)は、ロキソプロフェンやボルタレンなどのNSAIDsとは異なる種類の非ピリン系の内服薬です。

    ロキソプロフェンよりも穏やかな作用であり、炎症を抑える作用が弱く、鎮痛作用、解熱作用も比較的弱いですが、NSAIDsでアレルギー症状が出る人に対しては、比較的安全性が高いです。

    〈抗生剤について〉

    高須クリニックでは、術後の抗生剤に、フロモックスなどのセフェム系抗生剤、アモキシシリン、アモペニキシンなどのペニシリン系抗生剤を投与することが多いです。

    これらの薬でアレルギーがでたことがある人は、テトラサイクリン系のミノマイシン、ミノトーワなどに替えることがあります。

    このように、過去に抗生剤で薬疹や粘膜浮腫、顔面浮腫などのアレルギー症状がでたことがある人は、抗生剤の種類を替えて処方することができますが、何の薬でアレルギーが出たかわからない人や、薬を替えても抗生剤を飲みたくない人は、無理して飲む必要はないので、その場合は抗生剤は処方致しません。

    〈何故、手術後に抗生剤を飲まなくても大丈夫なのか?〉

    高須クリニックでは、昔から、手術後に抗生剤(抗生物質)の内服薬(飲み薬)を処方しています。

    二重まぶた埋没法、切開法、目頭切開などの目元の手術、シリコンプロテーゼ、小鼻縮小などの鼻の手術、顎のシリコンプロテーゼ、フェイスリフト、豊胸手術など、ほとんどの手術で術後に3~5日間程度抗生剤を処方しています。

    手術中、手術後に抗生剤を投与するのは、「術中感染、術後感染の予防投与」といい、術後に創部に感染症が起こらないようにするためのものとされ、日本では昔から様々な手術で投与されてきました。

    外科、心臓外科、整形外科、形成外科、耳鼻科などの科でも、手術後に抗生剤の点滴を何日間もしたり、内服薬の投与もすることが多いです。

    昔からこれだけ色々な科で、手術後にたくさんの抗生剤が投与されていると、

    「手術後の感染症を予防するための抗生剤投与は重要なことなんだなあ」

    と思う人が多いと思いますが、実際には、美容外科や形成外科の手術に関して、「手術後に抗生剤を投与すると感染症が予防できる」というエビデンスはありません。

    要するに、「手術後に抗生剤を投与すると、手術後に抗生剤を投与しなかった場合に比べて、感染症の発生率に有意差があった」という明らかなデータはないということです。

    では何故、日本では昔からこんなにもたくさん手術後に抗生剤が投与されていたかというと、それは健康保険の仕組みと、病院と製薬会社のしがらみによるからです。

    健康保険で診察、治療する場合、一部の例外を除くと、治療をすればするだけ保険点数は加算され、病院の収益になります。

    患者さんが軽い風邪で来院されても、解熱剤、咳止め、去痰剤、抗生剤などの薬をたくさん処方することによって利益をあげます。

    本来、ウィルス性の風邪に抗生剤は無効なのですが、「細菌の二次感染の予防のための予防投与」という建前で処方します。

    手術をした後も、「術後感染の予防」という建前で、抗生剤の点滴や内服薬の投与を長期間行い、保険点数を増やし、利益をあげます。

    しかし、必要のない薬であっても、医学的知識の乏しい患者様にとっては、どの薬が必要でどの薬が必要でないなんてことはわからないし、医者が必要と言えば必要なんだと思ってしまいます

    現在、世界では、術後に抗生剤を投与することによって感染症を予防できるというエビデンスがないことから、「抗生剤を投与する場合は手術から24時間以内が望ましい」という指針がメジャーであり、整形外科の人工関節の手術や心臓外科の手術などの感染ハイリスクの手術でのみ24時間以内までに抗生剤を投与し、それ以降は投与しないのが主流です。

    〈抗生剤には様々な副作用、リスクがある〉

    保険診療で、医者が患者様に抗生剤を必要以上にたくさん処方しても、患者様は医学の知識が乏しいため、何も文句は言いません。

    中には、「たくさん薬を出してくれた。医者に大切にされてるのでありがたい」と喜んでしまう患者様もいらっしゃいます。

    むしろ、軽い風邪で受診した患者様に対して医者が、「解熱剤も抗生剤も必要ないのでお出ししません」「水分をしっかり摂ってお家で安静にしてるだけで治りますよ」と言って、診察だけして何も薬を出さないと、「あそこの医者は何も薬を出してくれなかった!」と怒ってしまう患者様もいらっしゃいます

    しかし、抗生剤には様々なリスク、副作用があります。

    どんな抗生剤でも、体質によっては必ずアレルギーがでる可能性があり、全身に薬疹がでたり、口の中や気道の粘膜が腫れて、呼吸困難になったり、アナフィラキシーショックで死亡する可能性もあります。

    抗生剤の内服をすることにより、胃の粘膜が荒れて、胃炎になることもあります。

    抗生剤によって、腸の中の腸内細菌が死んでしまい、悪玉菌が増えることにより、お腹の調子が悪くなって、下痢をしたり、便秘になることがあります。

    抗生剤によって、皮膚の常在菌が死んでしまい、代わりに他の微生物が増えることにより肌が荒れたり、ニキビができたり、真菌症になって、カンジダ症やインキンタムシになることもあります。

    抗生剤を長期間投与し続けることにより、身体の中で抗生剤の効かない耐性菌が増えてしまい、将来、何らかの感染症を起こし、本当に抗生剤治療が必要になったときに、抗生剤が効かない身体になっていることもあります。

    健康保険で必要のない抗生剤を投与しても、患者様にとっては百害あって一利なしであり、得をするのは病院と製薬会社だけです

    とはいえ、日本には薬神話というものがあり、患者様が病院に行けば、医者が薬を出してくれるのが習慣であり、薬を出さないで正しいことをする医者が少数派になってしまうのが現状です。

    医者や看護師などの医療従事者達も、常に勉強して新しい知識を頭に入れ、何が正しくて何が間違っているか理屈でものを考える頭の人は、必要でない抗生剤を処方しないことを理解しますが、理屈でものを考えないで、昔から習慣的にやっていることや周りの人達がやっていることが正しいとだけ考えている頭の人は、未だに術後の抗生剤投与は絶対に必要だと考えています。

    もし、美容整形手術の術後の抗生剤を処方しないと、患者様によっては、

    なんでここのクリニックでは術後に抗生剤を出してくれないのですか!?

    ○○クリニックで手術したときは術後に抗生剤を出してくれたのに、なんでここのクリニックでは出してくれないのですか!?

    術後に抗生剤も出さないなんて、酷い扱いですね!

    と、怒ってしまう患者も多くいらっしゃると思います。

    そのため、高須クリニックでは術後に最低限の抗生剤を処方しておりますが、もしも抗生剤を飲むことを望まない患者様がいらっしゃれば、医師にお伝えください

  • 傷跡が肥厚性瘢痕やケロイドになる可能性について(アブレージョン)

    リストカットや根性焼きのアブレージョンのリスク、副作用に、傷跡が肥厚性瘢痕やケロイドになる可能性というものがあります。

    アブレージョンは、傷跡のある部分の皮膚に局所麻酔注射をし、CO2レーザーなどで傷跡の深さまで皮膚を焼き、元の傷跡を面で火傷の痕のような傷跡にかえてしまう治療です。

    この治療は、1回で治療した部分の傷跡を火傷の痕に変えることができるというメリットがありますが、デメリットとしては、治療した面積だけ傷跡が残るということがあります。

    治療をした部位の皮膚は、直後は生傷になっており、その後は傷の面積、深さ、体質などにもよりますが、1~2ヶ月くらいかけて瘢痕上皮化していき、乾いた傷跡になります。

    治療をして3~6ヶ月くらいの間は特に傷跡が赤くなったり、盛り上がったりして、多少目立つこともあり、その傷の状態のことを肥厚性瘢痕といいます。

    個人差がありますが、通常、手術後3~6ヶ月くらいがピークで肥厚性瘢痕になり、赤みや盛り上がりが生じることが多く(これも個人差があり、体質によってはほとんど肥厚性瘢痕にならない人もいます)、その後は6ヶ月から1年くらいかけて赤みや盛り上がりが引いていきます。

    ただし、稀に、肥厚性瘢痕の赤みや盛り上がりが引くのにもっと時間のかかる体質の人もいらっしゃいます。

    また、ケロイド体質の人は、肥厚性瘢痕よりも盛り上がるケロイドになることもあります。

ドクターズボイス

高須幹弥医師

高須幹弥 医師

傷跡を見るたびに、後悔する。就職活動や人間関係にも不利になる。そんな現状から、抜け出しましょう!何事もなかったような状態にまで戻すことはできなくても、リストカットや根性焼きとわからなくなれば、それだけで人の目は大きく変わりますよ。

施術方法は200種類以上

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