目の下のたるみ取り手術キャプチャ(写真)解説
~高須幹弥の術式の場合~

目の下の脂肪が膨らんでおり、皮膚がたるんでいます。

目の下のたるみ取り手術を行うことになりました。
目の下の皮膚を切開し、余分な脂肪と皮膚のたるみを切除します。

最初に下まぶた全体に局所麻酔注射をします。

事前に麻酔クリームを塗ってあり、極細の注射針で注射するので、痛みは極わずかです。
切除する脂肪にしっかりと麻酔液を注入します。
この手術をする直前に上眼瞼リフト(眉下切開での上まぶたたるみ取り)をしているので、眉下に縫合してある傷跡があります。

両側の局所麻酔注射が終わりました。

下まぶた全体の皮膚と眼窩内脂肪が麻酔液で膨らんでいます。

手術を始めていきます。

下まぶたのまつ毛の生え際のぎりぎり下の皮膚を端から端まで(目頭側から目尻側まで)メスで切開します(睫毛下切開)。

目頭側から目尻側まで皮膚切開をしたら、眼輪筋を切開します。

瞼板の縦幅の分だけ眼輪筋を残して、ステップを踏むように眼輪筋を切開します。

眼輪筋を端から端まで切開したら、その下に眼窩隔膜があります。

 

メスをハサミに持ち替え、眼窩隔膜を切開しにいきます。

 

眼窩隔膜を切開すると、中から眼窩内脂肪が出てきます。

この眼窩内脂肪は、中央のコンパートメントのものです。

切除すべき余分な眼窩内脂肪をモスキートペアンで摘まんで把持します。

 

モスキートペアンで摘まんだ分の眼窩内脂肪をハサミで切除します。

 

切除した眼窩内脂肪の断端をバイポーラーで電気凝固止血します。

この操作で眼窩内脂肪切除を行うと、切除した脂肪の断端からの出血を抑えることができ、手術後の腫れを必要最小限にすることができます。

続けて内側のコンパートメントの眼窩内脂肪の切除にいきます。

この患者様は、中央と内側のコンパートメントの眼窩内脂肪が発達して余分であったため、中央と内側の眼窩内脂肪だけを切除します。
外側のコンパートメントの眼窩内脂肪の切除は必要がないため行いません。
ちなみに、脂肪の膨らみの下が窪んでいる症例にはハムラ法に準じて目の下のたるみ取り手術を行うことがありますが、この患者様は下まぶたの脂肪の膨らみが強い症例で、ハムラ法の適応はないため、クラシカルな方法で行っています。
年輩の患者様やお年寄りの患者様にむやみにハムラ法を行うと、下まぶたの外反(アカンベーの状態)や下三白眼(黒目の下の白目が見えてしまう状態)になるリスクが高いので、必要がなければできる限り行わないほうが良いと考えています。

内側の眼窩内脂肪も、切除すべき余分な分だけモスキートペアで摘まんで把持します。

 

モスキートペアンで把持した眼窩内脂肪をハサミで切除します。

 

切除した眼窩内脂肪の断端をバイポーラーで入念に電気凝固止血します。

 

余分な脂肪の除去が終わりました。

 

余分な脂肪の除去が終わったら、目を開けていただき、切除すべき余分な皮膚をピオクタニンでマーキングデザインします。

 

マーキングした部分の余分な皮膚をハサミで切除します。

 

皮膚切除した後は、外側の眼瞼筋の吊り上げ縫合を行います。

 

あとは丁寧に皮膚を縫合して終了です。

細かく7-0青ナイロンで傷跡を縫合します。

手術が全て終わりました。

皮膚縫合した糸は約1週間後に抜糸をします。

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