上下の唇を薄くする手術キャプチャ(写真)解説
~高須幹弥の術式の場合~

唇を薄くする手術をします。

 

この患者様は、上下の唇が平均よりやや厚いです。

唇が厚いのがコンプレックスで、普通並みに薄くしたいというご要望だったので、平均くらいの厚みにすることになりました。

最初にデザインペンでデザインをします。

表面の乾いている唇と裏側の濡れている唇の境目を中心に、唇の粘膜と粘膜下のボリュームを切除するデザインで行います。
まずは術野を消毒して手術の準備をする前にデザインペンで乾いている唇側のみをデザインします。
濡れている側の唇はデザインペンでデザインできないからです。

上唇の裏側のデザインです。

裏側はピオクタニン(紫色の消毒液の色素)でデザインします。
このように、乾いている唇と濡れている唇の境目を中心に粘膜とボリュームを切除するのが、最も確実に唇を薄くすることができます。
傷跡もほとんどわからなくなるし、手術前にどれくらい薄くなるか予想がつけやすいため、患者様の希望にそった厚さに仕上げることができます。

下唇の裏側のデザインです。

この患者様は、下唇のほうが上唇よりも厚みが強いため、下唇のほうが切除する粘膜と粘膜下組織のボリュームが多いデザインになっています。

デザインが済んだら局所麻酔注射をします。

この麻酔液は、人体のPHに近づけるように、本来酸性である麻酔液をアルカリ性になるように緩衝液を混入しています。
そのため、注入するときの痛みはそれほど強くありません。
また、極細の注射針で注射するので、更に痛みは軽減します。
確実にデザイン通りにメスで粘膜を切開するため、麻酔液を多目に注入し、唇がパンパンに膨らむようにします。
また、麻酔液を多目に入れることにより、手術中の出血量を抑えることができます。

麻酔がよく効いたら、メスで粘膜を切開します。

唇が麻酔液でパンパンに膨らんでいるので、デザイン通りに綺麗に確実に切開することができます。

裏側のデザインも同じようにメスで切開します。

 

上唇も同じように切開します。

 

デザイン通りにメスで切開した粘膜と粘膜下組織を先が尖ったスーパーカット剪刀(ハサミ)で切除します。

このとき、粘膜下組織のボリュームをしっかりと切除しなければ、術後に唇は薄くならないため、ほとんどの場合、下口唇動脈を切断することになります。
出血するので、出血量を抑えるように、手早く切除する必要があります。

上唇も同じように粘膜と粘膜下組織を切除します。

上唇も上口唇動脈を切断することになるので、出血量を抑えるために素早く切除します。

粘膜と粘膜下組織を切除した後は、素早く切断した口唇動脈をバイポーラーで止血します。

 

出血が終わった後は、切除した唇の断面に露出している小唾液腺を切除します。

小唾液腺は口唇腺とも呼ばれ、これを切除せずに放置して粘膜を縫合すると、傷跡に唾液腺嚢胞が生じてしまうことがあります。
尚、この際に小唾液腺を切除しても、術後に唾液の分泌量が減って困るなどの支障がでることはありません。
唾液の分泌量のほとんどは、耳下線、顎下線、舌下線などの大唾液腺が占めるからです。

止血と唾液腺の切除が終わりました。

 

後は傷口を細かく丁寧に縫合して終了です。

私に関しては、縫合糸は5-0PDS(モノフィラメントの吸収糸)を用います。

ひたすら細かく丁寧に縫合します。

 

上唇も同じように縫合します。

 

上唇もひたすら細かく丁寧に縫合します。

 

手術が全て終わりました。

 

傷跡は乾いている唇と濡れている唇の境目にあるので、口を閉じている状態だと、手術直後でも傷跡はほぼ隠れた状態になります。

吸収糸で縫合していますが、10日後くらいを目安に抜糸に来ていただくようにしています。
それくらいの時期になると、ある程度の縫合糸は吸収されて脱落していることが多いですが、残りの糸が吸収して脱落するまで放置するより、これくらいの時期に抜糸したほうが、傷が綺麗になるからです。
抜糸した頃には傷跡はほとんどわからなくなります。
粘膜は血流がおおく、治癒能力も高いため、丁寧に縫合するとほとんど目立たなくなるからです。

今回解説した施術の動画一覧

上下の厚い唇を手術で程よく薄くした症例写真

  • Before
  • After(8ヶ月後)
  • Before
  • After(8ヶ月後)
  • Before
  • After(8ヶ月後)
  • Before
  • After(8ヶ月後)
高須幹弥医師からのコメント

担当医からのコメント

高須幹弥 医師

20代女性の患者様で、唇を薄くしたいというご要望で来院されました。
診察させていただいたところ、確かに唇は日本人の平均よりだいぶ厚めではありました。
また、口元がやや出ている骨格でもありました。
元々唇が厚いのですが、口元が出ていることにより、唇が厚いのが更に強調されていました。
唇が厚く、口元が出ているので、唇の形がやや前方に突出しているような形をしていました。
手術は、通常の唇を薄くする手術で、上下の唇をおおよそ3~4割程度ずつ薄くすることになりました。
唇の粘膜と一緒に唇のボリュームも切除し、無色透明の溶ける吸収糸で縫合しました。
術後は程よく唇は薄くなり、日本人の平均くらいの厚みになりました。
また、全体的に唇が薄くなったことにより、唇が前方に突き出ている感じも少し解消されました。
口元が出ている人は、元々唇が厚いことが多く、口元が出ていることにより、更に唇が厚く見えてしまいます。
そのような人は、歯科矯正や上下顎骨切り手術で出ている口元を引っ込めることが有効になることもあります。
それとは別に、実際に唇が厚く、単に薄くしたい場合は、唇を薄くする手術をすることが有効です。

施術料金

唇を薄く(口唇縮小術)

上・下 各 ¥165,000(税込)
高須幹弥医師の場合 各¥220,000(税込)

【全院】

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