お尻のたるみ取り手術(ヒップアップ手術、ヒップリダクション)キャプチャ(写真)解説
~高須幹弥の術式の場合~
30代女性の患者様です。
年齢相応にお尻の皮膚がたるんでおり、お尻の下のほうがシワシワになっています。
皮膚の余剰に合わせ、皮下脂肪もそれなりについています。
このような状態の患者様のお尻に脂肪吸引だけをすると、脂肪がなくなっても皮膚のたるみは残るため、余計にたるんだり、しわしわになってしまいます。
そのため、お尻のたるみ取り手術(ヒップアップ手術、ヒップリダクション)を行い、お尻の下のほうの余分な皮膚のたるみを切除して、合わせてその部分の皮下脂肪も除去することになりました。
最初に切除する皮膚のデザインをするため、余分な皮膚を手でつまみます。
このデザインは、必ず立ち上がった状態で行う必要があります。
寝た状態になると、余分な皮膚が周りに流れてしまい、どれくらい皮膚が余っているかわからなくなるからです。
切除する皮膚をデザインしました。
それでは手術を始めていきます。
手術は局所麻酔で行います。
この手術は局所麻酔でも全身麻酔でもどちらでも可能ですが、今回は患者様が局所麻酔での手術を希望されたため、局所麻酔で行うことになりました。
「手術中は意識がなく完全に眠った状態がいい」などのご要望の患者様の場合は全身麻酔で行うことになります。
最初に切開線に沿って局所麻酔液を注入します。
事前に注射する部位の皮膚に麻酔クリームが塗ってあり、細めの注射針で麻酔注射するので、痛みはそれほど強くありません。
注入するときに痛みを感じないように人体のPHに近づけたアルカリ緩衝液入りの麻酔液を使用しています。
また、切開線に血管収縮剤であるエピネフリン入りの局所麻酔液を注射しておくことにより、皮膚切開時の出血を抑えることができます。
切開線の局所麻酔注射が終わったら、デザイン通りにメスで皮膚切開します。
皮膚切開の後、チュームセント液の注入を行うので、その際にデザインが消えてわからなくならないように、先にデザイン線を切開しておきます。
チュームセント液を注入する際に、切開線からチュームセント液が漏れて出ていかないように、皮膚切開は真皮全層を切開しないようにしておきます。
皮膚切開したところから、皮膚切除する範囲と脂肪を切除する範囲にチュームセント液を注入します。
除去すべき脂肪のある範囲にチュームセント液が浸透するように、満遍なく皮下脂肪層に注入します。
チュームセント液は、薄めた局所麻酔(リドカイン)、血管収縮剤(エピネフリン)、PH緩衝液(メイロン)、生理食塩水を混合したものです。
チュームセントを用いた手術はウェットメソッドと呼ばれ、従来のドライメソッドの手術と比較すると、手術中の出血がほとんどなく、よりたくさんの脂肪を除去することができます。
また、手術後の腫れや内出血も少なく、痛みも少ないというメリットがあります。
私がこの手術をする場合、全例チュームセントを用いたウェットメソッドで行っています。
チュームセント液の注入が終わりました。
チュームセント液がしっかりと皮下脂肪層に行き渡りました。
チュームセント液の中の血管収縮剤が効き、皮膚の表面が白くなっているのがわかります。
チュームセント液の注入の次は、皮膚切除に取りかかります。
最初に表面の皮膚切開をしたラインに、再びメスで皮膚切開していきます。
皮膚全層を切開し、皮膚脂肪が出てくるまでメスを入れます。
皮膚切開した後は、電気メスで血管を電気凝固止血しながら切開していき、余剰皮膚を切除していきます。
丁度良い量の皮下脂肪のボリュームを切除するように、量を見計らいながら丁寧に筋膜上で切開していきます。
皮下脂肪をとりすぎないように、慎重に皮膚と皮下脂肪を切除していきます。
皮下脂肪をとりすぎてしまうと、傷を縫合した後、傷跡の部分に垂直方向の拘縮が生じ、傷跡が食い込んで汚くなってしまうことがあるからです。
皮膚と皮下脂肪の切除が終わりました。
皮膚と皮下脂肪を切除した跡から出血しているところがあれば、術後に血腫にならないように、電気メスやバイポーラーでしっかりと止血をします。
両側の皮膚と皮下脂肪を切除しました。
あとは皮膚を丁寧に縫合して手術終了になります。
最初に3-0PDS(溶ける吸収糸)で真皮縫合(中縫い)をしていきます。
お尻は強いテンション(緊張)がかかる部位なので、糸がほどけないようにしっかり結びます。
お尻は椅子に腰掛けるときなどに強いテンションがかかります。
しっかり真皮縫合しておかないと、座ったときに傷が裂けてお尻が割れてしまうので、力強く細かく丁寧に真皮縫合します。
3-0PDSでの真皮縫合が終わりました。
内側から縫合していったため、傷の外側にドッグイヤーが生じています。
ドッグイヤーの余剰皮膚をメスで切除し、ドッグイヤーの修正をします。
修正し、ドッグイヤーがなくなりました。
次に、3-0PDSで縫合した間を4-0PDS(溶ける吸収糸)で細かく真皮縫合していきます。
傷跡が綺麗になるように、ひたすら細かく丁寧に真皮縫合していきます。
細かく縫合することで、傷が弾けないようにするための補強にもなります。
真皮縫合が終わったら、皮膚の表面を6-0ナイロンで縫合します。
皮膚の表面の縫合も終わり、手術が全て終了しました。
立ち上がっていただきました。
手術直後は腫れているので、腫れが引くと、これより更にお尻がすっきりします。
縫合した表縫いの糸は約1週間後に抜糸し、6ヶ月~1年くらい経過すると傷跡はだいぶ目立たなくなります。
切除した皮膚と皮下脂肪を見ると、いかにすっきりしたのかがわかります。
今回解説した施術の動画一覧
施術料金
ヒップアップ手術(お尻のたるみ取り)
ヒップアップ手術(お尻のたるみ取り) | ¥1,100,000(税込) |
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脂肪注入 | ¥330,000(税込)※別途脂肪吸引代がかかります |
【銀座高須クリニック、横浜、名古屋、大阪】
リスク・副作用・合併症について
ヒップアップ手術(お尻のたるみ取り)
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