教えて、幹弥先生!

【ハム目】超幅広平行型の切開二重を断る美容外科医が多い本当の理由【食い込み、傷跡】

【ハム目】超幅広平行型の切開二重を断る美容外科医が多い本当の理由【食い込み、傷跡】Instagramフォロワー様からの質問に高須幹弥がお答えします。

公開日:2023・9・17出演:高須幹弥医師

今回は、Instagramのフォロワー様からいただいたご質問にお答えしたいと思います。

幅広平行型二重の切開法を希望される方からのご質問

質問の内容は、「私は今、二重切開の手術を受けることを考えており、有名な美容クリニックのお医者さんのカウンセリング巡りをしています。今日回ったクリニックの先生には手術を断られてしまいました。私は幅広めの平行型の二重を希望したのですが、その先生は幅広めの平行型の二重は切開法では引き受けないことにしていると言っていました。なぜ私は断られてしまったのでしょうか?幹弥先生だったら引き受けてくれますか?」というものです。

幅広めの平行型の二重を切開法で希望されているのですね。埋没法ではなく。有名な先生のところでカウンセリングを受けたら、その先生は、幅広めの平行型の二重を切開法では行わない方針で、そのような希望の方はお断りしているとのことです。

幅広平行型二重の切開法が難しい理由

これは、美容外科医の間ではよくある話で、私はその先生の判断は間違っていないと思います。なぜなら、日本人の場合、幅広めの平行型の二重を切開法で作っても、本当に似合う人や不自然にならない人は、ほんの2~3割程度なのです。

では、どのような人が似合うかというと、まぶたの皮膚のハリが少なく、皮膚が薄く、ある程度まぶたの彫りが深く、そしてまぶたの開きが良い人です。しかし、日本人でこれらの条件を全て満たしている人は、本当にごくわずかしかいません。

皆さんが憧れるような、少し幅広の平行型二重で綺麗に見える芸能人やモデルさんは、日本人全体のその2割の中の人たちなのです。

日本人に似合わない理由

ハム目になるリスクが高い

日本人の多く、大体7割~8割くらいの人は、幅広めの平行型の二重を切開法で作ると似合わないのです。そして、非常に不自然になり、いわゆる「ハム目」という状態になることがあります。ハム目とは、二重のラインの下の皮膚がぷっくりと膨らみ、まつ毛の生え際にかぶさってしまう状態を指します。

本当に平行型で少し広めの二重を切開で作っても自然で似合う人は、皮膚が薄く、まぶたの開きも良く、彫りが深いので、それほどハム目になりにくいのです。しかし、多くの日本人は、無理に幅広の平行型二重を切開法で作ると、ハム目になってしまい、似合わなくなってしまうのです。

日本人のまぶたの特徴

どのような人がその7割~8割に当てはまるかというと、日本人特有ののっぺりとした顔立ちで、彫りが深くなく、まぶたの皮膚が厚い人です。基本的に東アジア人は、まぶたが厚く、脂肪が多く、のっぺりとしていて、蒙古ひだが強く張っている人が多いのです。

蒙古ひだが強く張っているのに平行型の二重を作るためには、蒙古ひだを乗り越えて広めの二重を作らなければなりません。そして、厚い皮膚を無理やり食い込ませて二重を作らなければならないのです。まぶたは下のほうの皮膚が薄く、上のほうが厚いため、上のほうの厚い部分の皮膚を切開して、下の組織に癒着させなければならず、目を閉じた時の傷跡も結構食い込んで目立ってしまうのです。

さらに、目を開けるとぷっくりとしたハム目になり、まつ毛の生え際も隠れて眠たそうな印象の目になってしまいます。左右差が出やすくなったりと、良いことがありません。

埋没法と切開法

啓蒙活動

私が以前からYouTubeチャンネルやブログ、ホームページなどで啓蒙しているように、多くの日本人は幅広めの平行型二重を切開法で作るとハム目になって似合わないのです。

まつ毛の生え際から大体6mm~7mmくらいの位置で切開して二重を作るのが、自然で黒目がしっかりと見えることが多いです。無理に幅を広めにすると、まつ毛の生え際が隠れて黒目もはっきり見えず、眠たそうな目になってしまいます。

埋没法と切開法の違い

埋没法は、いつか取れてしまうという前提の手術なので、取れてしまっても「しょうがない」で済むことが多いです。しかし、切開法でやる場合は、二重が取れてはいけません。取れてしまうと、当然患者さんは怒り、クレームになります。取れないようにするために切開法を選んだのに、取れてしまった、元に戻ってしまった、となるわけです。そのため、切開法では絶対に取れないように、強い癒着を作らなければならないのです。

まぶたの厚い人に幅広めで、上のほうの厚い皮膚で切開して、絶対に二重が取れないように強い癒着を作ろうとすると、どうしてもぷっくりとした食い込みが強くなり、ハム目が強調されてしまうのです。だから、切開法だと不自然になるのです。取れないけれど、不自然な目でずっと生きていかなければならない、ということになります(修正手術で自然にすることは可能ですが)。

埋没法であれば、それほど不自然にはならないけれど、すぐに取れてしまう可能性があります。そのため、その人に合わない幅広の二重を作る場合は、埋没法のほうが良いのですが、埋没法だと取れてしまうのが嫌だから切開法でやりたい、という方もいらっしゃいます。過去に埋没法で幅広二重を作ったけれどすぐに取れてしまったので、今度は取れたくないから切開でやりたい、という方もいます。

美容外科医が断る理由

不自然な仕上がり

このように、切開法で幅広平行型の二重を作りたいという方は一定数いるのですが、日本人の多くは、幅広平行型の二重を切開法で行うと不自然になり、場合によっては不恰好になってしまうのです。

ですから、有名な美容クリニックの先生が、幅広めの平行型二重の切開法を一律して断るというのは、その先生の方針としては悪くないと思います。大半の人が不自然になってしまう可能性が高い手術は行いたくない、たとえ喜んでくれる人がいても、その人に合わない整形手術はしたくない、という立派なポリシーだと思います。私もその先生の気持ちは分かります。

美的感覚の多様性

中には、非常に不自然なハム目になっても喜んでくれる人もいます。ハム目になりたいという人もいますし、「この二重にしてよかった」と本当に喜んでくれる人も一部います。

そのような方は、一般的な美的感覚とは少し違うのかもしれません。美容整形の患者さんの中には、皆が皆、普通の美的感覚を持っているわけではなく、結構奇抜なデザインを希望する人もいらっしゃるのです。

トラブルの可能性

しかし、そのような不自然な整形を行っても、後で後悔したり、リスクを理解した上で手術を受けても「失敗だった」と訴える人もいますし、トラブルになることもあります。そのような患者さんが他の美容外科に行った時に、「この手術はどこどこクリニックの何々という医者に受けました」と言うと、業界内での評判が悪くなってしまうこともあるのです。

患者さんに、「あなたの目はまぶたが厚く、蒙古ひだも張っているので、幅広の平行型二重にするとハム目になって不自然で眠たそうになり、かえって悪くなります。あなたの場合はもう少し狭いラインで末広型の二重を作るほうが自然で黒目もはっきり出て、一般的に見て絶対に可愛くなります。そうしたほうがいいですよ」とリスクを話します。

それでも「いいからやりたい」と言われ、手術後に「こんなに不自然にされるとは思わなかった」とか、リスクを全て説明したのに「そんな話は聞いていない」といったクレームになることは、やはり一定数あるのです。クレームゼロを目指すのであれば、全て徹底して断るという方針は、全くありだと思います。

幹弥先生の施術方針

まずは患者を説得し、自然な二重を勧める

では、私はどうしているかというと、今でもたまに幅広平行型の二重切開を行うことがあります。どう考えてもまぶたが厚く、蒙古ひだが張っていて、明らかなハム目になる場合には、私はそのような希望の方をまず一生懸命説得します。「あなたはこういうタイプなので似合いません。もっと狭いラインで末広型にしたほうが良いですよ。そちらのほうが目がパッチリしてハム目にもなりませんし、目を閉じた時の傷跡も食い込みませんから」と頑張って説得するようにしています。

そうすると、大体半分の人は理解して、私が勧める一番自然なラインで手術を受けてくれます。

説得できない場合もある

しかし、それでも説得できない人が一定数いるのです。半分くらいでしょうか。私の患者さんの中にも、YouTubeやブログ、ホームページで私が「ハム目になるから不自然で似合わないからやめたほうが良い」とずっと啓蒙活動をしているのを聞いても、それが理解できない人がいるのです。先生の話は聞いた、それでもやりたいと言う人がいます。

そのような人はおそらく、2割くらいの、皆が憧れるモデルや芸能人の幅広平行型の二重がすごく自然で似合っているのを見て、「私も整形すればそうなれる」と思っているのでしょう。そうではないんですよ、と言っても、どうしても説得できないのです。

患者と医師の認識の違い

しかし、絶対にダメというわけではなく、手術をすることもありますし、実際に不自然なハム目になっても喜んでくださる方もいます。

だから、私個人のポリシーとしては、全てを断るべきではないと思っています。美容整形には大きく分けて2通りあり、1つはその人の顔の土台に合った、本当に自然で似合う、誰が見ても自然で良くなったと思えるデザインで手術をする場合。そしてもう1つは、その人が望む形に整形するという場合です。それは、たとえそのデザインが少し不自然でおかしいと感じても、そのデザインでやって本人が喜ぶということがあります。

ですから、バランスを整える整形手術と、本人が希望するから希望通りのデザインでする整形手術という2通りがあり、当然、幅広平行型の二重を切開法で行うのは、後者の「本人の希望通りのデザインでする」手術になります。それで喜んでくれる人は喜んでくれるわけなので、全てを断るのは私の考えとは異なります。

しかし、やはり断ることがあります。

修正の余地を残す

私の場合は、幅広平行型の二重を切開法で行う場合、皮膚を切除しないで、術後に修正手術をして自然な目にできるように、必ず余地を残しています。ですから、ほぼ全て修正手術で皮膚を切除して、狭く自然にすることができます。これをしっかり皮膚を切除してしまうと、切除する皮膚もなくなり、狭く修正することもできなくなってしまいます。私は必ず、後々のことを考えて、狭く修正できるように皮膚を切除しないで手術を行っています。

大抵の日本人は、目を閉じた状態でまつ毛の生え際から6mm~7mmくらいの位置で二重を作るのが一番自然になります。ですから、皮膚を切除する場合でも、最終的にそのくらいの幅になるように、修正ができる余地を残しています。

修正手術

「やっぱり先生の言う通りにしておけばよかった、修正してください」という場合は、修正手術を行うのですが、その場合は当然有料になります。それは、本人が全てのリスクを覚悟した上で希望したデザインなので、私が再度修正手術を行う場合は有料になってしまいます。

それならば、最初から一番自然なデザインでやっておけばよかった、ということになることもあります。しかし、有料になると言うと、「それはおかしい」と言って、大きなトラブルになることもあります。

そう考えると、幅広平行型二重の全切開を全て断るというのも、一つの考え方だと思います。

まとめ

私個人の意見としては、本当はその人の顔に合った一番自然で似合うデザインで手術をしてあげたいので、本当は全てデザインを任せてほしいのです。そうするとほぼ100%自然な仕上がりになります。しかし、患者さんがデザインの主導権を握る場合は、強引に「このデザインじゃないとやりません」とか「これでやりなさい」と言うことはできません。

ですから、修正する余地も残しつつ、本人が本当に喜んでくれる場合もあるので、そのような場合は手術を行うこともあります。今のところは、そのような感じで診療を行っています。

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