ハンプ切除によるワシ鼻修正+鼻骨切り幅寄せ手術キャプチャ(写真)解説
~高須幹弥の術式の場合~

この患者様のハンプ切除と鼻骨切り幅寄せ手術をします。

ハンプ切除は、ワシ鼻で段鼻になっている人に対して行う手術です。
ワシ鼻の突出部をハサミやノミ、ヤスリを使って削ります。
鼻の骨切り幅寄せ手術は、鼻の骨の部分が横に広がっている人に対して行う手術です。
鼻の横に広がっている骨をノミで骨切りし、ギプスで挟んで固定し、横幅を狭くします。

横から見るとハンプが突出し、ワシ鼻になっています。

この部分の軟骨と骨を削り、横から見て真っ直ぐになるようにします。

ハンプの削る部分のデザインをしました。

最大で3mm程度削ると、横から見て真っ直ぐになるのがわかります。

骨切り幅寄せ手術の骨切りラインのデザインをしました。

ハンプ切除を同時に行うため、内側骨切り(メディアールオステオトミー)のデザインはしておらず、外側骨切り(ラテラールオステオトミー)のデザインのみをしています。
手術は、外側骨切りのラインがハンプ切除の骨切りラインに繋がるようにします。
骨切りラインが繋がる部分は、直接ノミで骨切りして繋げるか、骨折させるかになります。
骨切りによって生じたブラブラの外側骨片を内側に移動させ、ギプスで圧迫固定することになります。
デザインした後、顔を消毒し、コンプレッセン(手術用の緑色の清潔な滅菌した布)をかけ、手術を始めていきます。

手術始めていきます。

今回の手術は局所麻酔で行います。
この手術は局所麻酔でも全身麻酔でもどちらでも行うことができます。
局所麻酔で行うほうが、手術中の出血が少なく、手術がスムーズに進行してやり易いため、患者様が全身麻酔での手術を希望されなければ、私に関しては局所麻酔での手術を第一選択にさせていただいてます。
局所麻酔での手術より全身麻酔での手術のほうが出血量が多くなる理由は、全身麻酔をかけると静脈が拡張し、静脈にプーリングした血液が流れ続けやすいからだと考えられます。
ちなみに、静脈麻酔でのこの手術は、私に関しては行っておりません。
静脈麻酔は、気道が確保されておらず、中途半端に意識レベルが低下しているため、静脈麻酔でこの手術を行うと、血液を肺に誤嚥していまい、気道閉塞による窒息や誤嚥性肺炎などのリスクがあるからです。

局所麻酔注射をします。

注入するときに痛みを感じないように人間の体液のPHに近づけるようにアルカリ性に調整した麻酔液を、極細の注射針で注射するので、痛みはそれほど強くありません。

骨切りラインに添って、奥のほうまでしっかりと麻酔します。

骨切りする部分の表側だけではなく、裏側にも麻酔します。

局所麻酔注射終わりました。

局所麻酔注射が終わったら、麻酔が効くまで時間をおきます。
時間をしっかりおくことにより、局所麻酔液の中のエピネフリン(血管収縮剤)が効き、骨切り時の出血量を抑えることができます。

5分以上時間をおき、麻酔がしっかり効き、血管収縮剤の効果で鼻の皮膚の表面が白くなってきました。

手術を始めていきます。

玉付き二爪フックで展開し、メスで鼻の穴の中の皮膚を切開します。

ここからは痛みは全く感じません。
最初に外側骨切りをするためのノミを入れる梨状孔縁切開をします。
梨状孔縁切開は左右両側に行います。

次に、ハンプ骨切りをするためのノミを入れる軟骨間切開をします。

軟骨間切開は右側のみ行います。

梨状孔縁切開の部分から、先が尖ったスーパーカット剪刀(ハサミ)を入れ、骨切りする骨のエッジまで剥離をしていきます。

 

次に、軟骨間切開からハサミを挿入し、ハンプ突出部の鼻骨まで剥離します。

 

軟骨間切開からラスパを挿入し、ハンプの骨切りする部分の骨膜を剥離します。

 

次に、梨状孔縁切開からラスパを挿入し、外側骨切りラインに添って骨から骨膜を剥離していきます。

外側骨切りラインは、表側だけではなく、裏側の骨膜も剥離します。
骨切りラインの骨の骨膜を確実に剥離することにより、骨切り時の出血を抑えることができます。
これをしっかりやっておかないと、骨切りの際に裏側の粘膜が裂け、出血量が多くなってしまいます。
そうなると当然、手術後の腫れや内出血、痛みも強くでてしまいます。

軟骨間切開から先の尖ったスーパーカット剪刀(ハサミ)を挿入し、切除するハンプの軟骨部分に割を入れます。

ハンプの最突出部は、骨と軟骨の接合部であることがほとんどであるため、骨だけでなく、軟骨も合わせて切除する必要があります。
この操作は盲目的に行うため、熟練が必要になります。

ハンプの軟骨部分の切開ができたら、ハンプ骨切りに入ります。

ハンプ骨切りは、両側ガード付きノミを使用します。

両側ガードノミを挿入します。

 

助手にハンマーで叩いてもらい、骨切りします。

 

ハンプ骨切りができたら、コッヘルでハンプを掴み、引き抜きます。

 

切除したハンプです。

これはハンプの表側です。
デザイン通りのちょうど良い量のハンプを切除することができました。

切除したハンプ裏側です。

真ん中に鼻中隔軟骨が見えます。

ハンプ切除が終わったら、続けて外側骨切りにいきます。

外側骨切りは、曲の片側ガード付きノミを使用します。

梨状孔縁切開からノミを入れ、

 

助手にハンマーで叩いてもらい、骨切りします。

ハンプ骨切りラインに向かって骨切りしていきます。

片側の外側骨切りが終わったら、反対側も同じようにノミで外側骨切りします。

 

骨切りが全て終了しました。

全ての骨切りが終わると、左右に2枚の遊離骨片が生じ、鼻の骨の部分がグラグラに動く状態になります。

骨切りの後は傷口を縫合します。

傷は5-0PDS(吸収糸)で縫合します。

丁寧に傷口を縫合します。

 

手術は全て終了しました。

 

最後にギプス固定をしてます。

鼻先の汚れや油分をアルコール綿で取り除いた後、最初にテーピングをし、その後、デンパースプリントで両側から鼻の側面を圧迫するようにギプス固定します。
鼻筋が細くなるようにしっかりと挟み込むように圧迫固定します。

ギプス固定が終了しました。

ギプス固定は約2週間行います。
手術当日はしばらくの間、鼻の穴の中の傷から、麻酔の液や血液が少量出てくることがありますが、すぐに止まるので心配ありません。

今回解説した施術の動画一覧

ハンプ切除+鼻骨切り幅寄せ手術を行った20代女性の症例写真

  • Before
  • After(6ヶ月後)
  • Before
  • After(6ヶ月後)
  • Before
  • After(6ヶ月後)
高須幹弥医師からのコメント

担当医からのコメント

高須幹弥 医師

20代女性の患者様で、ワシ鼻を治して、綺麗に鼻筋を通す目的でカウンセリングしました。
診察させていただいたところ、ハンプ(鼻骨と軟骨の接合部の突出している部分)が発達しており、ワシ鼻になっていました。
ハンプ切除をすることになりましたが、ハンプの部分の骨が発達して、骨が横にも広がっていたので、同時に骨切り幅寄せ手術もすることになりました。
手術後はワシ鼻が改善し、横から見て、鼻根部から鼻尖までがほぼ真っ直ぐな鼻になりました。
また正面から見て鼻根部から鼻背にかけて細くなったことにより鼻筋が綺麗に通りました。
ハンプが強く発達している鼻に対してハンプ切除のみを行うと、横から見て真っ直ぐになっても、鼻筋がなくなり、正面からみて鼻が太くなったように見えることがあります。
そのような鼻にはハンプ切除だけでなく、骨切り幅寄せも行うと、綺麗に鼻筋が通ります。

施術料金

わし鼻・段鼻修正, ハンプ切除

ハンプ切除 手術 ¥440,000(税込)

【銀座高須クリニック、横浜、名古屋、大阪】

シリコンプロテーゼ挿入 ¥385,000(税込)

【銀座高須クリニック、横浜、名古屋、大阪】

ヒアルロン酸 ¥55,000(税込)

【全院】

長期持続型ヒアルロン酸注射シャープラインノーズ ¥165,000(税込)

【全院】

骨切幅寄せ(鼻の根元を細く)

¥660,000(税込)

【銀座高須クリニック、横浜、名古屋、大阪】

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