陥没乳頭修正手術キャプチャ(写真)解説
~高須幹弥の術式の場合~
陥没乳頭の患者様です。
陥没乳頭修正手術を行います。
左側は指でどれだけ刺激しても乳頭が出てくることはありません。
刺激しても常に陥没している真性陥没乳頭であるため、将来出産しても赤ちゃんに授乳することができません。
真ん中の部分が強く陥没しているため、未熟で短くて硬い乳管が突っ張っていることが原因だと考えられます。
最初に局所麻酔注射をします。
事前に注射する部位の皮膚に麻酔クリームが塗ってあります。
その上で極細の注射針で麻酔注射するので、痛みは極わずかです。
また、注入するときに痛みを感じないように人体のPHに近づけたアルカリ緩衝液入りの麻酔液を使用しています。
乳頭は先端のほうが感覚が過敏であるため、いきなり先端から麻酔注射することはせず、感覚が比較的鈍感な外側のほうから麻酔注射します。
根本にぐるっと一周麻酔注射すれば、乳頭全体がブロック麻酔され、先端のほうまで麻酔が効きます。
少しでも麻酔注射の痛みが少なくなるように効率的に麻酔注射します。
麻酔がよく効いたら手術を始めていきます。
中央の括れている部分を中心に、メスで横に一本線皮膚切開します。
乳管は垂直に走行しているので、垂直方向にメスを入れていきます。
メスで皮膚切開したあとは、尖端が尖ったハサミ(スーパーカット剪刀)で、乳管の走行に沿って垂直方向に切開しながら進んでいきます。
ある程度ハサミで垂直方向に切り進んだら、フックセッシで片側の乳頭を引っ張りあげます。
フックセッシで上方に引っ張り上げながら、ハサミで縦方向に乳頭を割いていきます。
手術後に授乳ができるように、内部の乳管を温存しながら、乳頭を引っ張り出します。
今後出産する予定がある女性患者様の手術をする場合、私に関しては原則として、乳管温存する術式で行います。
今後出産する予定がない年輩の女性患者様を手術する場合で、感染を繰り返す瘢痕化した難治性陥没乳頭の場合は、例外として、乳管を横方向に切断して手術を行うことも稀にあります。
中央に見える何本かの細い管が乳管です。
反対側の乳頭も同じように乳管を温存しながら、縦方向にハサミで割いていき、引っ張り出します。
乳頭を引っ張り出すことができたら、両側の乳頭に牽引用の糸針をかけます。
両側の乳頭を引っ張って展開します。
次に、乳頭の基部を締めるために、両側の乳頭のサイドに真皮縫合をかけます。
縫合糸は5-0PDS(モノフィラメントの吸収糸)を使用します。
基部を締めて後戻りしないように、しっかりと結びます。
補助的に両サイドに一針ずつ真皮縫合します。
これらの操作を真皮弁を起こして行う医者もいますが、私の経験では、これらの操作がほぼ同じ効果をもたらすため、私に関しては真皮弁を起こして行うのは稀です。
真皮縫合終わりました。
次に、両側の乳頭同士も5-0PDSで一針中縫いをします。
程よいテンションで結びます。
これで中縫いは全て終了しました。
乳頭はしっかり出ており、陥没乳頭は治っています。
乳頭が出た状態でしっかり固定してあるので、指でいくら押しても、
また陥没して戻ってしまうことはありません。
あとは表面の傷を丁寧に縫合して手術終了になります。
表縫いは6-0青色ナイロン糸を使用します。
表縫いが終わり、手術は全て終了しました。
綺麗な半球状の乳頭になりました。
手術直後は局所麻酔注射などの影響もあり、わずかに腫れています。
縫合した糸は約10日後に抜糸をします。
施術料金
陥没乳頭
片方 | ¥275,000(税込) |
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陥没乳頭
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