パイプカット キャプチャ(写真)解説
~高須幹弥の術式の場合~
指でしっかりと精管を触知します。
パイプカットの手術をする時は、麻酔の注射をする前に、まずは睾丸の外側から精管(パイプ)をしっかりと指で触知し、捉える必要があります。精管は固ゆでのパスタのような太さと硬さをしていて、精巣の上のほうにある精索(せいさく)の中にあります。麻酔を打った後は睾丸が腫れ、精管の位置を把握できなくなることがあるので、そうならないようにしっかりと指で触知し、捕獲してから手術を始めます。
麻酔をします。
麻酔をします。一度にたくさん麻酔を打ちすぎてしまうと、精管の位置がわからなくなることもあるので、数回に分けて、少しずつ麻酔を打ちます。手術中は基本的に痛みを感じることはありませんが、奥のほうにある精管を引っ張り出してカットするので、引っ張られるような感覚を覚えることはあると思います。
パイプカット鉗子でつまみます。
睾丸を切開し、精管が目視できるくらいになったら、パイプカット鉗子でつまみます。ちょっと引っ張られるような感じがあるかもしれませんが、なるべく患者さんが痛みを感じないように、つまみながら精管の周りにさらに麻酔を注射します。広い範囲に麻酔をして、痛みを軽減します。
精管を露出させ、周囲の組織を分離します。
精管を露出させました。この患者さんの精管は比較的太いほうだと思います。そうしたら次に、カットする際、周囲の動脈や静脈叢(じょうみゃくそう)を巻き込んで出血が多くならないよう、精管だけを分離します。
精管をカットします。
綺麗に精管だけを分離することができたら、ある程度の長さを取ってカットします。
精管の両端を結紮します。
特に出血もないので、切った後の精管は切りっぱなしの状態でも問題ありませんが、念のため両端をバイポーラで処理してから結紮(けっさつ)します。カットの際、血管を巻き込んでしまった場合は、止血のため必ず結紮が必要です。
傷を縫合します。
睾丸の傷を縫合します。今回はバイクリルという吸収性の縫合糸を使います。抜糸する必要のない糸で、1ヶ月くらいするとポロポロと自然に脱落していきますが、可能であれば抜糸をしたほうが異物も取れて清潔になります。術後10日をめどに、可能な方は抜糸に来ていただくのが良いと思います。
組織を確認します。
経験上、切除したのは精管であることに間違いないのですが、本当に精管なのかどうかを確認しておきます。精管の特徴として、内部に精子が通るための空間(内腔)があります。そこにハサミの刃先を入れて、きれいに開くことができるのが精管です。今切除した組織は小さな内腔があり、きれいに開けましたので、間違いなく精管だということがわかります。
反対側の精管も同様にカット、結索し、傷を縫合します。
右側の精管のカットが終わったので、続いて左側も同様に行います。
手術完了
パイプカット手術が完了しました。術後の精液検査で、精液内に精子が確認されなければ手術は成功です。
関連コンテンツ
-
教えて!幹弥先生!
お客様からの美容整形に関する質問をお答えします。
-
施術風景・症例紹介
気になる施術風景を動画でご紹介します。
手術シーンが含まれます。気の弱い方、血を見るのが苦手な方は閲覧はご遠慮ください。
※施術方法や施術の流れに関しましては、各院・各医師により異なります。予めご了承ください。
※ホームページ上で掲載されている価格は税込表示となっております。
※当院で行う治療行為は保険診療適応外の自由診療になります。
※インバウンドの方の施術料金は通常料金とは異なります。詳しくはお問い合わせ下さい。
当サイトは高須クリニック在籍医師の監修のもとで掲載しております。