美容整形のカウンセリングは真剣勝負。ときには冷たい先生だと思われることもある。

私は美容整形のカウンセリングというのは真剣勝負だと思っています。

私がいう真剣勝負というのは、できることはできる、できないことはできないとはっきり言い、メリットばかり言うのではなく、デメリットがある場合はデメリットも言い、いい加減なことやでたらめなことは言わないということです。

美容整形をしにくる患者様は夢を持っていらっしゃいます。中には、非常に厚ぼったい一重まぶたの女の子が、埋没法で大好きな芸能人と同じ目になれると思い込み、必死にアルバイトして貯めた99,000円（税込）を握りしめて私のカウンセリングにいらっしゃることもあります。そのような子は診察室で私を見て、「いつもCMやブログでみてる先生だから、きっと自分が思っている通りの二重にしてくれるだろう」とか、「いつもブログで見てるお茶目な先生だから、明るく、僕にまかせてくださいって手術を引き受けてくれるに決まってるだろう」と大きな期待を持ち、目を輝かせているのです。しかし、その子が望んでいる芸能人の目が、元々薄い皮膚のまぶたで幅広い平行型二重で、蒙古襞があまりなく、目ヂカラが強く黒目が大きくみえてるようないわゆる今風のイケてる目だったら、埋没法だけで作るのは不可能です。その場合、非常に辛いのですが、私は女の子に真実を伝えなければなりません。

その場合私は、
「君はまぶたが厚いから、埋没法でこの芸能人のような幅の広い平行型二重を作ると、かなり厚ぼったい不自然な二重になってしまう上にすぐに糸が緩んで元に戻ってしまいます」
「どうしてもこの芸能人の目に近づきたいなら、目頭切開をして蒙古襞を解除して、眼瞼下垂手術で目ヂカラを強くして、同時に眼窩内脂肪とROOFを切除すればかなり近付けることができますが、その場合、料金が275,000円（税込）+770,000円（税込）かかります 」
「料金的に厳しければ、全切開二重をするだけでも、まぶたの厚みはかなり取れるし、永久に取れない平行型二重も作れ、その場合、料金は275,000円（税込）です」
「全切開二重と合わせて目頭切開をすると、さらにこの芸能人の目に近付けることができ、その場合、料金は+275,000円（税込）です」
「それでも料金的に厳しければ、埋没法しか選択肢はありません」
「埋没法をするならこの芸能人の目は諦めて、狭い末広型の二重にすることをお勧めします」
「狭い末広型の二重なら埋没法でも元にもどりにくいし、それだけでも目は大きくなり、君は今より更に可愛くなれます」
と説明します。

しかし、説明を受けた人の中には大きなショックを受けることがあります。
それは、
・自分の予算ではなりたい芸能人の目になれないこと
・なりたい芸能人の目に近付くためには1,000,000円近い費用がかかること
・自分が予定していた埋没法では狭い末広型の二重しかできないこと
・コンプレックスだった厚ぼったいまぶたを指摘されたこと
・この先生だったら必ず希望通りの目にしてくれると信じていたのに埋没法では無理だと言われたこと

などのことによります。

しかし、プロの美容外科医が責任を持ってカウンセリングする以上、患者様のお顔を的確に診察し、できることはできる、できないことはできないと正確に説明する義務があるのです。もちろん、説明するときは患者様の心を傷つけないように、なるべくオブラートに包みながら優しく説明するように心掛けています。

他の美容外科クリニックに行けば、カウンセリングのときに明るい笑顔で都合の良いことばかりを話し、できもしないことをできると言い、デメリットやリスクをほとんど話さないで患者様をその気にさせ、手術にもっていって利益をあげようとするところもあります。その場合、カウンセリングを受けた時点では、夢を抱いていた患者様は、「自分の夢を叶えてくれる先生に巡り会えた」と喜ぶと思いますが、手術が終わった後は自分が希望していた仕上がりになっていないため失望することになります。

それならば、カウンセリングの時点で、できることできないことをきっちりと話し、リスクやデメリットも説明し、患者様に理解していただいてから手術を受けていただいたほうが、患者様も納得すると思います。

私のカウンセリングを受けた患者様の中には、「CMやブログを見て、凄く爽やかで優しいイメージを想像してたのに、実際カウンセリングを受けてみたら、あまりにも現実的なことばかり説明するのでがっかりだった」とか、「先生だったら私の夢を簡単に叶えてくれると信じてたのに、現実的なことをいわれたので、冷たく感じた」と思う人もいるかもしれません。

しかしそれは、
・患者様に嘘はつきたくない
・カウンセリングでしっかり納得していただいてから手術を受けていただきたい
・説明したのと違う結果になり、患者様を失望させたくない
・少しでも患者様に喜んでいただき、幸せになってほしい
という私の想いからくるものなのです。

正確なカウンセリングとレベルの高い手術をして、患者様に喜んでほしいという気持ちは誰にも負けない自信がありますので、これからも宜しく御願い致します。