美容整形について
人によって顔や体などの見た目の好みが違うのは何故なのか?
毎日、美容整形患者様のカウンセリングをしていると、それぞれの患者様によって、理想のなりたい顔の好みが驚くほど異なることを感じます。若い女性患者様だったら、自然な狭い二重まぶたを希望される清楚なお嬢様系の方もいれば、派手なメイクが似合う超幅広の平行型二重を希望されるギャル系の方もいらっしゃいます。美容整形の患者様に限らず、一般の男性の「好きな女性のタイプ」などでも、「背が高くスレンダーで、綺麗系の女性が好き」という人がいれば、「清楚で、切れ長の一重まぶたの女性が好き」という人もいるし、「アニメから出てきたような、ツインテールが似合う小柄でロリ系の女の子が好き」という人もいます。
美容医学には、全ての女性に共通する、美の黄金比率というものがあります。
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・顔の横幅5等分の法則
顔の横幅は、目の横幅を基準に、目が5つ並ぶ幅が理想・パーツバランス3分の1の法則
額の髪の生え際から眉の生え際、眉の生え際から鼻の先端、鼻の先端から顎の先端の縦の長さが3等分されているのが理想形 -
・パーツ位置関係の法則 ・ビーナスラインの法則 ・鼻縦横比率の法則 ・唇縦横比率の法則
これらの黄金比率というのは、人間の脳に生まれつきインプットされている情報です。要するに、「お母さんは優しい」、「子供は可愛い」とか、「花はきれい」など、誰もが感じる感覚と同じものです。そのため、黄金比率に当てはまっている女性は、誰が見ても美しいと感じることになります。
しかし、何故、人によって好みのタイプが違うのでしょうか?人によって顔や体の好みが異なるのは、その人の生まれ育ってきた環境と、現在置かれている環境によるものが大きいです。生まれ育ってきた環境によるものとは、例えば、男の子が母親の寵愛を受けて育つと、その母親と同じような女性を好きになることがあります。母親がポッチャリとした輪郭の顔立ちであれば、自分の頭の中に、「ポッチャリした輪郭の女性が好き」という記憶が焼き付けられているため、同じような顔立ちの女性を好きになってしまうことがあります。
女性の場合、父親の愛情がない環境で育つと、年上の男性に魅力を感じ、好きになってしまうことがあります。女の子は、本能的に父親と母親の両方の愛情を求めるため、父親の愛情がない環境で育つと、大人になってから父親の愛情を求めるので、異性に父親の愛情を重ねることがあるからです。また、ずっと片想いで好きだった人や、付き合っていた人と別れて、その人のことが未だに好きで忘れられないと、その異性と同じようなタイプの人を好きになることがあります。例えば、高校生のとき、同じクラスでいつも自分に優しくしてくれて、ずっと片想いしていた女の子が切れ長の一重まぶただったら、同じような一重まぶたの女性が好きになることがあります。
これらの例のように、自分が生まれ育ってきた環境などによって人を好きになると、美の黄金比率とやや異なった人を好きになり、美しいと感じることがあります。また、現在置かれている環境によっても、顔や体の好みが変わってくることがあります。人間は洗脳されやすい生き物なので、周りの人達が、「○○はカッコイイ」とか「××は可愛い」と言っていると、集団の心理で自分まで、「○○はカッコイイ」「××は可愛い」と思うようになります。例えば、自分の周りの友達がギャルばかりだったら、「世の中で、ギャルこそが最も可愛く、ギャルこそが最強である」と洗脳され、そのように思い込むようになります。すると、ギャルの象徴である、幅広平行型二重を手術で作り、カラコン、太めのアイライン、フサフサのつけまで目を大きく見せようとします。
周りの友達がヤンキーばかりだと、「世の中でヤンキーこそが最強」と思い込むようになり、自分もヤンキーになろうとします。すると、眉を細くしたり、金髪にしたり、根性焼きをしたり、刺青を入れたりします。その人達は、ギャルやヤンキーの中にいる間は良いのですが、将来、ギャルやヤンキーを卒業して、普通の会社に就職し、サラリーマンやOLになったとき、「自分はなんてダサいことをしていたんだ」と思うことがあります。
また、雑誌やテレビなどのメディアが、「モデルの△△ちゃんは可愛いです」とか、「アイドルの□□は今大人気です」などといって、頻繁に登場するようになると、自分も「モデルの△△ちゃんやアイドルの□□っていいんだー」と思うようになることがあります。すると、自分もそのモデルやアイドルに近付こうとして、服装や髪型やメイクなどを真似するようになります。
しかし、一時的に流行っているものは必ず廃れ、新しい流行が生まれます。人気だったモデルやアイドルは落ち目になるとメディアに登場しなくなり、代わりに新しいモデルやアイドル達がメディアに登場するようになります。すると、かつてのモデルやアイドルに憧れていた人達は、「あの頃はなんであんなに夢中になっていたんだろう」と思うことがあります。
このように、生まれ育ってきた環境、過去の経験、現在置かれている環境などによって、顔や体の好みは変わっていきます。人によっては、大多数の人が見ても美人だと思わない、黄金比率からかけ離れな顔が美人だと感じてしまうこともあり、美容整形でそのような顔を目指してしまうこともあります。その結果、整形したのに、周りの人から不評だったり、「整形する前のほうが良かった」と言われてしまうことがあります。
また、一時的に流行っているだけの奇抜な顔に整形してしまうと、自分の顔に似合わなくて不自然に見えたり、その流行が終わってしまうと、「あの頃は何でこんなダサい顔に憧れていたのだろう」と後悔してしまいます。そのため、私はいつも、一時的に流行っているだけの奇抜な顔に整形しようとする患者様には、「あなたがなろうとしている顔は、一時的に流行っているだけの可能性があるので、何年か経って流行が変わると、後悔するかもしれません」と説明し、自分の顔に合った自然な整形をすることをお勧めします。それで、1/3の方は私のお勧めした自分の顔に合った自然な整形することを選び、1/3の方は半分妥協して、私がお勧めしたのと自分がなりたいのとの中間を選び、1/3の方は妥協せず自分のなりたい顔を選びます。
一時的に流行っているだけだと思われるパーツの手術で、特にここ数年で多いのは、カリスマギャルモデルのような超幅広平行型二重にする手術です。そもそも日本人のおよそ6~7割は一重まぶたであるし、日本人で天然の超幅広平行型二重の人はほとんど存在しないので、美容整形で超幅広平行型二重を作ること自体、不自然な二重を作るということになるのです。
私は、患者様が超幅広平行型二重を望んだ場合、カウンセリングで十分に説明し、納得されたときは手術させていただくことはあります。その場合、患者様がいつか幅を狭くして自然にしたくなるときがくるかもしれないので、修正手術ができるように、まぶたの皮膚を切除し過ぎないなどの工夫をするようにしています。
それでは、時代や流行に流されず、老若男女あらゆるジャンルの人から美人or男前と思われる顔にするにはどうしたら良いのでしょうか?それは、元の自分の顔の特徴を生かし、無理な手術はせず、必要最低限の手術で、可能な限り黄金比率に近付かせることです。
昔の女優さんなどを見ても、黄金比率に当てはまっている女優さんは、現在あらためて見てみても美人だと感じます。逆に、一時的に流行っていただけの顔の人は、あらためて現在見ると、「あの頃は何でこんな顔が流行っていたんだろう」と感じます。
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