鼻中隔延長手術の長期経過はどうなのか?本当に安全なのか?耳介軟骨移植とどう違うのか?

鼻中隔延長手術というのは、鼻の中にあって鼻の支柱である鼻中隔の鼻中隔軟骨に、耳介軟骨あるいは肋軟骨を2枚重ねにして鼻中隔を延長して、鼻先を伸ばす手術です。

耳介軟骨より肋軟骨のほうが硬いため、肋軟骨で行うほうが鼻先を大きく出せると言われていますが、その代償として胸に大きな傷が残ります。

くわしい手術の内容はこちらをご覧ください。

同じく鼻先を伸ばす手術に耳介軟骨移植という手術があります。

耳介軟骨移植は耳の穴の中や耳の裏から軟骨を採って鼻先に移植する方法です。

耳介軟骨移植が鼻先の軟骨の上に耳介軟骨を乗せて鼻先を出すのに比べて、鼻中隔延長手術は鼻の支柱である鼻中隔そのものを延長して鼻先を出すので、鼻先を出せる量は鼻中隔延長手術のほうが少し大きいです。

▼耳介軟骨移植:鼻先を出します

鼻先を上向きにしてアップノーズしたり、鼻先をななめ下方向に出す場合もあります

耳介軟骨移植:鼻先を出します

▼鼻中隔延長:鼻先を大きく下方に延ばします

鼻中隔延長:鼻先を大きく下方に延ばします

私の場合、個人差はありますが、鼻先を2~3mm程度出すときは耳介軟骨移植を、4~5mm程度出すときは鼻中隔延長手術を行います。

鼻中隔延長手術は耳介軟骨移植よりも手間がかかり手術時間も長いため、手術料金ははるかに高くなります。

高須クリニックでは患者様の希望に合わせて、耳介軟骨移植と鼻中隔延長手術を使い分けていますが、実際には耳介軟骨移植をする人のほうが多いです。

理由は、長期的な経過を考えると、耳介軟骨移植はリスクがほとんどなく、鼻中隔延長手術はリスクが高いからです。

鼻中隔延長手術は、強力な支柱を作って鼻先の皮膚を無理やり突っ張らせて出す手術なので、無理して大きく鼻先を出した場合、術後5~10年くらい経つと、鼻先の皮膚に負担がかかり、鼻先に軟骨の形が浮き出たり、鼻先の皮膚の圧力によって延長した鼻中隔が曲がって、鼻全体が大きく曲がってしまうことがあります。

そのため、当院で鼻中隔延長手術をするときは、長期的な経過を考慮して、無理して鼻先を大きく出さないようにしています。

また、鼻中隔延長手術は大量の肋軟骨あるいは耳介軟骨を移植するため鼻の穴の中が狭くなり、鼻呼吸がしずらくなったり、鼻づまりになりやすくなったりすることがあります。

高須クリニックには、他院で鼻中隔延長手術をした後、鼻呼吸がしずらくなったり、鼻づまりになったり、5~10年経って鼻先の軟骨の形が浮き出たり、鼻全体が曲がって不自然になったりして、修正目的で来院される方が多いです。

私の個人的な見解では、他院で鼻中隔延長手術を受けた人の約半数は、10年以上経った後、なんらかの変形を起こし、修正手術を要していると感じています

美容外科クリニックによっては、通常の耳介軟骨移植だけで充分患者様の満足のいく鼻を作ることができるのに、わざわざ鼻中隔延長手術を勧めたり、一緒に鼻のプロテーゼやゴアテックス、眉間や額のゴアテックスを勧めて手術料金をつり上げようとするところもあるので注意が必要です。

これから鼻中隔延長手術をして、鼻先を大きく出したいと考えている方は、欲望のままに無理して鼻先を出そうとせず、5年後10年後のことを考えて自分の鼻に合った無理のない鼻中隔延長手術を受けるか、無難な耳介軟骨移植を受けることをお勧めします。

高須クリニックの耳介軟骨移植

耳介軟骨移植は、軟骨を移植する量や場所を細かく調整できるため、鼻先を高くする、鼻のバランスを整える、鼻の穴を目立たたなくするといった、様々なお悩みに向いています。

しかし、正しい手術を行わないと、将来不自然な形になったり、感染症のリスクがあります。

高須クリニックでは、患者様に失敗と感じていただかないよう、

  • 治療経験が豊富でデザインセンスの高い形成外科医がカウンセリングから担当。
  • シミュレーションで施術前に仕上がりをイメージ可能
  • 傷跡も目立たず、手術直後でも他人に気づかれる心配が少ない施術

といった方針で手術を行っています。

高須クリニックでのくわしい手術の特徴や内容はこちらをご覧ください。

症例のご紹介

鼻中隔延長手術で鼻先を斜め下方向に出した症例写真

  • Before

  • After(6ヶ月後)

  • Before

  • After(6ヶ月後)

  • Before

  • After(6ヶ月後)

⾼須 幹弥 医師

担当医からのコメント

⾼須 幹弥 医師

20代女性の患者様で、鼻先が上を向いており、正面から見て鼻の穴が目立つのが悩みとのことでした。
診察させていただいたところ、全体的鼻があまり高くなく、鼻筋があまり通っていない上に、鼻先が潰れて上に上がっている状態でした。
また、やや鼻の穴が大きめで、その上、鼻先が上に上がっているために、正面から見て鼻の穴が目立つ、いわゆるブタ鼻の状態でした。
全体的に鼻の形を整えるためには、シリコンプロテーゼで眉間の下から鼻根~鼻背を高くして鼻筋を通し、小鼻(鼻翼)縮小で鼻の穴を小さくし、鼻先に耳介軟骨移植か鼻中隔延長を行い、鼻先を斜め下方向に出すのが望ましいです。
今回は、患者様の希望もあり、鼻中隔延長のみを行い、鼻先を安全な範囲内、自然な範囲内で斜め下方向に出すことになりました。
手術は局所麻酔下に行い、片側の耳甲介軟骨を採取し、オープン法に準じて鼻中隔軟骨を露出し、耳甲介軟骨をオーバーラップさせて固定して鼻中隔軟骨を延長しました。
固定した耳甲介軟骨に大鼻翼軟骨を固定して、皮膚縫合しました。
その結果、鼻先が程よく自然な範囲内で斜め下方向に出て、ブタ鼻がかなり改善しました。
また、正面から見た状態で鼻の穴が見える面積も減少しました。

症例のご紹介

耳介軟骨移植で鼻先を斜め下方向に出した症例写真

  • Before

  • After(3ヶ月後)

  • Before

  • After(3ヶ月後)

  • Before

  • After(3ヶ月後)

  • Before

  • After(3ヶ月後)

  • Before

  • After(3ヶ月後)

⾼須 幹弥 医師

担当医からのコメント

⾼須 幹弥 医師

20代女性の患者様で、鼻先が上に上がり気味なことを気にされてました。
診察させていただいたところ、やや鼻先が上がり気味であり、それによって、正面から見て鼻の穴が見えるのが強調されていました。
鼻先に耳介軟骨移植をして、鼻先を斜め下方向に出すことになりました。
術後は鼻先が約3mm斜め下方向に延び、鼻先が上に上がっているのが目立たなくなりました。
また、正面から見て鼻の穴が見えるのが強調されなくなりました。
鼻先を安全な範囲内で出すのはこの程度が良いです。
これ以上耳介軟骨移植で鼻先を出したり、鼻中隔延長術で鼻先を出すと、将来的に鼻先の皮膚が薄くなり、軟骨の輪郭が浮き出て不自然になるリスクがあります。

この記事の監修医情報
平成11年
  1. 藤田医科大学医学部卒業
平成11年
~平成13年
  1. 藤田医科大学麻酔救急科に勤務
  2. 麻酔科標榜医取得
平成13年
  1. 藤田医科大学大学院入学。
    形成外科入局。高須クリニック勤務
平成14年
  1. 群馬県立がんセンター頭頚部外科勤務
平成15年
  1. Ivo Pitanguy Institute Postgraduate Course (Brazil) 研修
平成17年
  1. 単一植毛手術の研究にて医学博士取得
平成19年
  1. 日本形成外科学会専門医取得
  2. 高須クリニック名古屋院院長

※施術方法や施術の流れに関しましては、各院・各医師により異なります。予めご了承ください。
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